

私の街の美容室には曜日限定のスタッフがいます。「シンプルショート?
それともカジュアルショート?クラシカルミディアムで変身してみましょうか?」
いつもはステージを別にする彼や彼女の活躍や思いを発信します。
現在、名古屋のフリーランスに特化した店舗でも活動しています。
そこではご予約からお支払いまでアプリによるITでシステム化され、店舗管理者のオーナーの存在もなくそれに代りITによってスタイリストたちは管理されています。 セット椅子も個室となっているため他のスタイリスと関わる事も全くありません。
こんな感じのお店です。
フリーランスとしての最大のメリットはお客様だけに集中出来る事でしょうね。
半面、勤め先という看板には頼れない事です。一地方の店舗にしろ大なり小なりこの看板力というものはあるわけですから。
それと自分を律する者は自分しかいないという強い気持ち、「モチベーション」の維持が重要でしょうか。
他方「私の街の美容室」ではお店を通じてご縁をいただいたお客様です。
私のお客様であると同時にお店のお客様でもあるわけです。そこにはオーナー等の意向も入ってきます。そういったミスマッチもフリーランスのスタイリストを生む遠因となりえますね。
「私の街の美容室」にはもう一人「曜日限定スタッフ」がいます。彼女の場合は本来の「勤め先は遠方だけど地元にもお友達を中心としたお客様がいる」から「私の街の美容室」という「場」を利用しているというケースです。
この様に既存店舗を「場」として割り切った利用法はあってもいいと思うんです。
多様性が求められる時代。私たち美容師も柔軟な思考で対応していきましょう。
フリーランスと多様性
肉汁滴るステーキの写真に心躍らせたけど期待ほどでもなかったなんて経験ありますよね。
春ともなると駅舎の旅行ポスターに目が行きます。
緑の山野を背景に桜が映えます。だけど行ってみるとご近所の桜と同じってこともよくあること。
此れとおんなじことがSNS上のヘアメニューに踊る艶々の髪にもあるんですよね。
お客様は当然SNS上の写真をイメージしてのご来店だと思うんです。
だから期待通りの結果が得られないとその落胆は大きく怒り心頭ってことにも。
きっとお客様がご覧になったSNS上の写真は髪質の優れた方がご来店の度にスタイリストが
腕によりをかけて最高のトリートメントメニューを施してきた結果なんです。
だから一朝一夕に艶々!は無理ですし、その出費も大きかったと思います。
かといってSNS上のメニュー写真が全て嘘かというとスタイリスト達が可哀そう。
彼ら彼女らはそのスキルを表現したかっただけですから。
お客様には時間の都合、ご予算の都合があり日常生活全てを髪にかけるわけにもいきません。
だけど誰もが振り返る艶々の髪を手に入れたい。
美容室にかける時間と予算を節約して艶々髪を手に入れる方法は?
それはあなたの根気です。日常生活での根気です。
例えばショートボブの髪が根元から毛先まですっかり入れ替わるのに一年かかるとします。
その一年間、髪に優しく接してあげてください。いたわってあげてください。
夏の紫外線から守ってあげてください。ご自分で頭皮マッサージもしてあげてください。
無茶なヘアカラーや脱色はやめてあげてください。
時々は良質のシャンプーも使ってあげてください。
そして知識と経験豊富な良いスタイリストを選んでください。
一年後きっと皆が羨む艶々髪の女性になることをお約束します。
SNSの嘘と本当
伊藤和洋 ▸在店日/毎月第3火曜日
「 子供大好き、和装大好き、飲み会大好き(自粛中)」

スタイリストの提案と都合
・・・そしてミスマッチ
お客様のご希望に対してその骨格や毛質が適さない時や
「お客様にはこちらのスタイルの方がお似合いなのにな…」といった悩ましい
経験はよくある事です。
スタイリストにとって「技術的な素地」はもちろんですが
「コミュニケーション能力、特に聞く(理解する)能力」がかなり重要になってくる
と思うんです。
お客様が思い描く「私にとって最高のスタイルはこれ」という主張に対して冒頭に
記したようなミスマッチ。
そんな時の提案が案外スタイリストの都合になりやすいんですよね。
結果は「お客様は悶々とした気分のまま終わってしまう・・・」。
なのに「最高の提案をさせていただいた」なんてスタイリストの思いあがりもいい
ところですね。
このようなミスマッチはお客様とスタイリスト双方にとって不幸なことです。
「スタイリストの提案と都合」。これって似ているけど真逆なんですよね。
相反するものだと思うんです。
スタイリストはお客様の声に真摯に耳を傾けそれを理解する能力を高めなくては
いけません。お客様の想いを実現する根拠。それは技術的な試行錯誤と切磋琢磨。
これしかミスマッチをなくす方法はないと思うんです。
グローバルという言葉が世界を席巻する現代。美人のグローバル化っていつからかしら?
スタンダードとしてはアングロサクソンで金髪、目はブルーっていうのが定番かな。
当然目鼻立ちがよくってそうシンデレラ姫みたいな娘かしら。
子供の頃ディズニーの絵本やらグッズでさんざん刷り込みされてきたからそんな影響もあるかも、現代版宣教師?
ただ最近のディズニーの主人公は中国市場を意識してかネイティブな感じがするよね。美人の基準も経済とは無関係じゃないってことかな。
神仏像もその時々の為政者を模したっていうからその時代の覇権も影響しそうね。
だったら何年か先には京劇メイクのモデルさんがパリコレで活躍するのかしら。
・・・と演劇女子の妄想は果てもなく続きます。
黒い瞳のシンデレラ


中山理佳由 ▸在店日/毎月第2火曜日
「演劇女子、ディズニーおたく」


